事業概要

近年、先進国および新興国等の開発によって、アフリカ諸国では急激な資源開発がすすめられています。同時に、かつてないスピードで環境の汚染が顕在化し始めています。

しかし、こうした急激に進むアフリカ諸国の環境汚染に関しては、ごく限られたデータしか報告されておらず、アフリカにおける環境汚染の現状は殆ど把握されていません。特に問題となっているのは、生態系や動物、ヒトに対する毒性学的なサーベイランスが実施されていないことであり、これが対策の遅れを生んでいる原因の一つとなっています。環境の汚染はすでに数か国で食の安全を脅かすレベルにまで亢進していることが事前調査でもわかっており、環境汚染によるケミカルハザードは各国における喫緊の課題となっています。

我々は過去6年間にわたり、アフリカの環境汚染の調査・研究に関するネットワークを形成するために「国際トキシコロジーシンポジウムin アフリカ」と題した国際シンポジウムを開催してきました。このシンポジウムを介して、各国の毒性学研究者らが活発な意見交換を行い、最終的には10カ国以上の国から研究者や大学院生らが参加し、アフリカの研究機関における毒性学をボトムアップするためのエンジン的役割を果たしてきました。また、環境研究のブラックボックスとなっているアフリカ諸国から共同サーベイランスによるデータを蓄積し、環境毒性学の基盤データを構築してきました。2014年度にこれらの活動を継続するためにコンソーシアムを構築しましたが、このコンソーシアムの活動として、特に当該研究ネットワークの継続と人材育成への貢献を望む声が多く寄せられています。アフリカ各国からキャパシティビルディングに関しては強い要望があり、若手研究者や学生の育成に関する支援が日本に求められています。また、日本人サイドにおいてもアフリカのケミカルハザードの現状に取り組むことで、欧米から日本における層の薄さが指摘されている国際的なマネージメント能力やリーダーシップを持つ人材の育成が見込まれます。

そこで、本プロジェクトでは、サーベイランス研究に加えて、さらに、若手研究者や大学院生の人財育成に主点を置いた、ケミカルハザード問題を解決するためのChemical Hazard Commission for Africa(CHCA)を構築します。